4月のサンガクシャ

ライラックが咲きました。
三年前「ライラック」の名札をつけた小さい苗木を花屋で見た瞬間、
日本フィルの北海道旅行の思い出が脳裏を駆けめぐりました。
1957年の6月のことで、函館・勇沸・札幌・旭川を回り、最後は北見でした。
移動は蒸気機関車が引く列車で、
駅に止まるたびに顔を洗いにいかなければならないほどの煤煙でした。
札幌にさえコンサート・ホールがない時代でしたから、
函館は小学校、札幌と北見は映画館が会場でした。
勇沸と旭川は国策パルプ工場の体育館で、
太い丸太を組んだ即席ステージで演奏しました。
札幌の北大付属植物園はライラックの花盛りで、
かわるがわる撮った写真は誰もが若々しく、時の流れを感じさせます。


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