6月のサンガクシャ

昨年の秋、二本の薔薇が植わった鉢を買いました。
片方はピンク、もう一方は花びらの縁が赤い黄薔薇でした。
ピンクの方は散るまで同じ色でしたが、
黄の方は日ごとにの紅がひろがり全体が真紅になったあと散りました。
今年は初夏の日差しを受けて蕾がつぎつぎに現れ、
一本の枝に三変化の花が揃いました。
久方ぶりにイェイツの『神秘の薔薇』を読み直しています。

   われもまた、そなたの愛と憎しみの
大風が吹きすさぶ時を待つ。
星々が、鍛冶場に散る火花の如く
大空に飛び、消え果つるは何時ぞ。
そなたの時来たり、そなたの大風が吹くは、まことか。
遥かなる、いと神秘なる、汚れなき薔薇よ。 
                     大久保直幹訳


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