7月のサンガクシャ

母にもらった天津桃は年老いて太い枝に蟻が巣くい、幹に茸がはえています。
いまにも寿命が尽きそうなのに、今年も実が鈴なりになりました。
植木屋を頼んでとってもらったのが1956個、
台風が通過したあと落ちていたのが23個、
あわせて1979個を三日がかりで煮てジャムとシロップを作りました。
パール・バックの『大地』に、貧しい農夫の王龍が大家の女奴隷を嫁にもらい
家に連れて帰る途中桃を買って与えしばらくしてふり向くと、
女が手の中の桃を齧っていたという挿話があります。
植え付けて2,3年後に天津桃がつけた実は「手のひらに入る大きさ」で固く、
まさに『大地』の桃を思わせるものでした。
                  


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