9月のサンガクシャ

関東大震災から91年たちました。
その年6歳だった南雄は避暑していた逗子の家の円窓から這い出し、
母とともに山で一夜を明かしたそうです。
父が軍艦に便乗して迎えにきて、無事に家に戻りました。
父の本棚にあった大阪朝日新聞社編集の『関東大震災記』には
摂政だった昭和天皇の詔書が巻頭にあって

朕惟フニ天災地變ハ人力ヲ以テ豫防シ難ク
只速カニ人事ヲ盡クシテ民心ヲ安定スルノ一途アルノミ
凡ソ非常ノ秋ニ際シテハ非常ノ果断ナカルへカラス
若シ其レ平時ノ絛規ニ膠柱シテ活用スルコトヲ悟ラス
緩急ソノ宜ヲ失シテ前後ヲ誤リ
或イハ個人若ハ一會社ノ利益保証ノ為ニ多衆災民ノ安固ヲ脅スカ如キアラハ
人心動シテ抵止ス揺ル所ヲ知ラス


といった文言が連なっています。
もう一冊は大正十三年に出版された第一高等学校の作文集です。


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